3月に実施した投票“あなたのトマト栽培「あるある」はどれ?”の「尻ぐされ」の項目には、
「赤くなったと思って喜んだら、お尻が黒くなっていてがっかりでした。」
「毎回、尻ぐされ病に悩まされます…」
といった切実なコメントが寄せられました。
「今年こそは成功させたい!」というみなさんの想いにお応えして、今回は尻ぐされの原因と今すぐできる対策を分かりやすく解説します!
■なぜ黒くなる?尻ぐされ症の「原因」
「お尻が腐るなんて、恐ろしい病気にかかっちゃった!」とショックを受けるかもしれませんが、安心してください。
これはカビや細菌の病気ではなく、「カルシウム不足」による生理障害(栄養不足)です。
では、カルシウムを土に撒けば解決するのかというと、実はそう単純ではないのがトマト栽培の奥深いところ。
主に次の3つの引き金が原因で、トマトがカルシウムを吸えなくなっています。
原因①:土の乾燥(水不足)
カルシウムは「水に溶けることで」根から吸い上げられます。土がカラカラに乾くと、いくら土にカルシウムがあっても吸うことができません。
原因②:窒素(チッソ)肥料やカリ肥料のあげすぎ
肥料(特に窒素やカリ)を与えすぎると、トマトのカルシウム吸収を邪魔してしまいます。
原因③:根っこが傷んでいる
水のやりすぎによる『根ぐされ』や、夏の猛暑による根の弱りなどが原因で、栄養をうまく吸収できなくなります。
原因④:凛々子®を容器(植木鉢やプランター)で育てている
トマトの果実が肥大するときに多くのカルシウムを必要とします。
一度にたくさんの果実をつける凛々子®は、トマトのカルシウム要求量に対してプランターの土では供給や根の吸収が間に合わず、尻ぐされを起こしやすくなります。
■今すぐできる!尻ぐされ症の「対策」
もし今、すでにお尻が黒くなってしまった実を見つけたら、次の方法で対策しましょう。
① 黒くなった実は摘み取る
残念ながら、一度黒くなった実は元には戻りません。
そのままにしておくと株の栄養がもったいないので、早めにハサミでチョキンと摘み取ってしまいましょう。
② 予防としてカルシウムスプレーをかける
尻ぐされが起きそうで心配なときは、ホームセンター等で売っているカルシウム葉面散布剤を葉っぱにシュッと吹きかけてあげるのも効果的です。
根っこからの吸収が不足する分を、葉っぱからダイレクトに補給してあげます。
③ 着果し始めたらしっかり水やりを
栽培管理で尻ぐされを起こす一番の原因が土の乾燥です。
甘くしたいからとむやみな水切り栽培などをせず、しっかり水やりをしてください。
④ 凛々子®はできるだけ畑(地植え)で育てよう
凛々子®栽培は、しっかり根が張れる地植えがオススメです。
どうしても容器でしか栽培できない時は、全てのわき芽を芽かきして、着果数を制限するようにします。
■間違いやすい「他の病気・害虫」との見分け方
「お尻が黒い=すべて尻ぐされ」とは限りません。間違った対策をしないために、よく似たトラブルとの見分け方をチェックしておきましょう。
| 症状の特徴 | 原因 | 見分け方のポイント |
|---|---|---|
| 実の「お尻(先端)」だけが黒く凹んでカサカサしている | 尻ぐされ症 (カルシウム不足) |
虫の穴などがなく、綺麗にお尻だけが黒くなっている。 |
| 実の上部や全体に、油が染みたような茶色いシミが広がる | 疫病(えきびょう) (カビの病気) |
雨が多い時期に発生しやすく、葉っぱにも泥が跳ねたような茶色い斑点が出る。 |
| 実のどこかに小さな穴があり、そこからジュクジュク腐っている | タバコガ (害虫) |
穴の近くにイモムシがいるか、フンが落ちていることが多い。 |
虫食いが原因かも?と思ったら…
「実を観察したら小さな穴があいていた!」「イモムシを見つけてしまった!」という方は、原因は尻ぐされではなく害虫(タバコガなど)です。
害虫の具体的な退治方法や予防対策については、こちらも参考にしてください。
【トマト栽培】ハモグリバエからアブラムシまで、大切な苗を守る!>>
尻ぐされ対策チェックリスト
トマトのお尻が黒くなるとガッカリしてしまいますが、原因が「カルシウム不足」だと分かれば、水やりやスプレーでしっかりリカバーできます。
一つひとつ原因をクリアしていけば、今年はきっとたくさんの美味しいトマトが収穫できるはずです。あきらめずに、日々の観察を楽しみながら育てていきましょう!
記事監修:カゴメアグリフレッシュ