あつまれ博士の畑
2024/10/01

「連作障害」って何?問題点や改善策を博士が解説!

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こんにちは、博士です。

家庭菜園では、「次は何を育てようかな?」と考えるのも楽しさのひとつですよね。

土を入れ替えずに新しい種や苗を植えた際、作物によっては、うまく育たないことがあるので注意が必要です!
この状況を「連作障害」と呼びます。

本日は、オンライン栽培相談会などでも質問をいただくことが多い「連作障害」について博士が解説します☆

 

■連作障害とは

「連作障害」とは、同じ作物(同じ科の野菜)を同じ場所で作り続けることによって生育不良となる障害のことです。

サツマイモなど連作が可能な野菜もありますが、作物によっては収穫量が落ちるだけでなく、場合によっては生育が悪かったり、枯れたりすることもあります。

 

■なぜ連作障害が起きるの?

作物は育つ際に土壌の栄養素を吸収しますが、どの栄養素をどの程度吸収するかは野菜によって異なります。
同じ作物を作り続けると土壌のバランスが崩れ、生育が不良になることも…

さらに、連続して同じ作物を育てることで、その作物を好む病原菌や害虫が増えやすくなり、その作物特有の病気になりやすくなるので注意が必要です!

 

■トマトの連作をお勧めしない理由

「連作障害」の起きやすさは野菜によって異なりますが、トマトは「連作障害」が起きやすい作物のひとつ!

トマトは成長の段階や生育状態によって必要となる肥料の成分量が変化するため、土中の肥料濃度を成分ごとにきめ細かく調整することが難しいのです。

また、家庭菜園でよく使用される複合肥料には、さまざまな肥料成分が含まれています。
栽培が終わった時にトマトが使い切れなかった肥料成分が土中に残り、pHも栽培開始時とは変化する点も、トマトが連作に向いていない理由のひとつです。

 

■連作しない場合、何をすればいいの?

栽培によって偏った土壌環境をリセットするためには、他の作物を植える「輪作」を試しましょう。

トマトの場合は、同じナス科の野菜(ナス、ジャガイモ、ピーマンなど)は避けます。

博士のおすすめはマメ科の作物です!
マメ科の植物が土に溜め込む窒素は、作物の健全な生育に大切な成分なので、良い土になりますよ☆

 

■どうしても連作する場合はどうすればいい?

畑や庭で栽培する場合、面積によっては連作を避けられないこともありますよね。
その場合は、堆肥を入れて土づくりをしたり、太陽光で消毒したりすると「連作障害」を軽減できます。

また、すべての土をそのまま使い続けるのではなく、半分だけ新しい培養土を使うこと(客土)や、肥料などが土壌全体とよく混ざるよう、硬くなった土を耕してきちんとほぐすことも有効ですよ!

鉢で栽培した場合は、根や地面に近い茎に病害が出てしおれた(枯れた)土は中に病原菌がいる可能性が高いです。

できるだけ根を取り除いて土だけにし、土を黒いビニール袋に入れて日当たりの良い場所に1~2ヶ月置くと殺菌が期待できます。
使用した鉢、支柱などの道具類もしっかり洗いましょう。
※薬剤などと比べて十分な殺菌効果が得られない可能性もあるため、病害が出た鉢は土壌の交換をお勧めします。

 

栽培後の肥料の残留を軽減するためには、作物を育てる際に栄養環境に注意することも大切です。
過剰に肥料を与えるのは避け、生育状態に応じて適切なタイミングで追肥を行うようにしましょう。

また、完熟した堆肥などの有機質肥料は、微量成分や微生物の活性化によって、「連作障害」を軽減する効果があるとの報告もあります。ぜひお試しを!

土の再利用については、下記も参考にしてみてください♪

使い終わった土は再利用できるの?博士がお答えします☆>>

 

いかがでしたか?今回の記事でみなさんの疑問が解決すれば嬉しいです!
トマトシーズンは終わりを迎えていますが、これからも楽しくおいしく野菜を育てていきましょう♪

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