カゴメ便り
2015/06/22

トマトが日本にやってきた!ケチャップができるまで

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みなさん、こんにちは。ミッティです。

 

今回は、これまでみなさんからいただいてきたコメントの中でも「知りたい」というお声が多かった、

“トマトが日本にやってきたときのこと”のお話をしていきたいと思います

カゴメの創業者も登場しますよ☆お楽しみに

 

なすび?カキ?観賞用として渡来

 

日本にトマトが伝わったのは“江戸時代”。

1668年、徳川四代将軍・家綱のおかかえ絵師・狩野探幽が「唐なすび」と呼び、スケッチしています。

また、文献では、江戸前期の儒学者・貝原益軒の『大和本草』(1709年)が最も古く、

「唐ガキ」という名で紹介されています。

ただ、当時の日本人は、西洋野菜を食用としてよりも観賞用や薬草として珍重したようです。

 

明治以降にあらためてキャベツやたまねぎ、アスパラガス、にんじんなどの西洋野菜とともに

ヨーロッパやアメリカから導入され、食用になったそうです。

当時の日本人は、ヨーロッパ人と同じく、トマト特有の匂いや鮮やかな赤色に

抵抗を覚えたのかもしれませんね。

 

カゴメ創業者と西洋野菜の出会い

 

そんな折、カゴメの創業者・蟹江一太郎は、1899(明治32)年の春、

いち早く西洋野菜の栽培を始めました。

農家の跡取りだった一太郎は、軍隊時代の一教官の言葉をヒントに、

愛知県知多郡荒尾村(現在の東海市荒尾町)の自宅の脇に、

トマトなどの西洋野菜の種を蒔いたのです。

これが“カゴメ誕生の第一歩”です

この創業の地には、今でもカゴメのソースを作っている上野工場とカゴメ記念館があるんですよ

<創業者・蟹江一太郎>

 

「トマトを売りたい!」カゴメ創業者の工夫

 

やがて、一太郎は収穫した西洋野菜をホテルや西洋料理店などへ売り始めます。

ところが、その中でトマトは悩みの種でした。

トマトだけは、独特の青くささと、真っ赤な色が敬遠され、全く売れなかったのです。

そこで一太郎は西洋にならい、トマトを加工してトマトソースにすることを考え、

独自のトマトソースの開発に乗り出しました

 

次々とヒット商品が誕生!

 

得意先の名古屋ホテルにて、料理長の好意で貰い受けた一瓶のトマトソース。

一家総出で研究、試行錯誤に取り組み、1903(明治36)年、ついに第1号の

「トマトソース(現在のトマトピューレー)」が完成しました

この「トマトソース」が高い評価を受けます

それとともに事業規模を拡大し、5年後の1908年には、ご存知「トマトケチャップ」

「ウスターソース」の製造を開始しました。

 

「ウスターソース」は、トマトソースを加えることでまろやかな味を実現しました。

輸入品にない特色を出すことに最も力を注ぎ、味と香りを確かめながら試行錯誤の末の誕生でした。

一方の「トマトケチャップ」も、香辛料などを工夫して、日本人の嗜好に合わせて製造されました。

 

実はこの二つのうち、先に売れたのは「ウスターソース」

当時コロッケなどの洋食が流行していたこともあり、一気に大ヒット商品となりました。

「トマトケチャップ」はというと、その後、家庭料理の洋風化が進んだ、大正初期から昭和にかけて

大きく売り上げを伸ばし、私たちの家庭にもなじみの味として定着してきたのです

<初期のケチャップパッケージラベル>

 

現代では、家庭でも飲食店でも当たり前のように食べられている、トマト。

はるか遠く、南米のアンデス高原で生まれたこと、また、ヨーロッパや日本で、

長い間食用として敬遠されていたことを考えると、こんな風に今トマトが身近にあるのは、

ある意味“奇跡”といえるのかもしれませんね☆

これからは今まで以上に大切に、おいしく、トマトをいただきたいなぁと思いました

 

さて、初回から続けてきたトマトの語源や歴史についてのお話もこれでおしまいです

楽しんでいただけましたでしょうか

コメント欄では、ご感想とともに、ご意見、ご要望もお待ちしております

 

 

※本文中でご紹介しました、トマトの語源や歴史に関しては、諸説ございます。
 

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