こんにちは、&KAGOMEスタッフです。
2022年7月9日に開催した、カゴメ野菜生活ファームの片岡さんと&KAGOME会員メンバー3名の方々、また契約農家さんに出演いただいた『オンライン栽培相談会2022』。
当日はたくさんの方にご視聴いただき、チャットでも大変盛り上がりました!
片岡さんの栽培相談はもちろん、今回初の試みとなった契約農家さんの畑からの生中継、トマコミギャラリーやパシャリポ投稿のご紹介など、楽しんでいただけましたでしょうか?
LIVE配信ダイジェスト動画を公開しました!
LIVE配信中に沢山の質問をいただきました。
カゴメ片岡さんから回答をいただきましたので、ご紹介します。
配信中にお答えいただいたものも含め、おさらいして栽培に役立ててくださいね♪
【Index】
▼トマトの味について
▼栽培環境について
▼挿し芽について
▼誘引について
▼収穫量について
▼尻腐れについて
▼摘果、カラス避けについて
▼葉や花が落ちることについて
▼水のあげ方について
▼虫除けについて
▼他の野菜について
【トマトの味について】
Q:育てたトマトの皮が固く、酸味が強い気がします。皮を柔らかくしたり、味を甘くしたりする方法はありますか?
A:水を少なくすると甘くなりますが、皮が固くなりやすいです。プランター栽培の場合は特に、毎朝たっぷり、暑い日には昼にも水をあげてください。
酸味が強いのは、完熟まで待つと軽減されます。
Q:トマトやプチトマトは、追熟するのでしょうか?
A:追熟はしますが、樹についたまま熟したものの方が鮮度も良くておいしいです。
Q:プランター栽培より畑栽培の方がよく育つのは、根を張る量の違いでしょうか?
A:プランター栽培は水不足になりやすいため、甘くなりますが、収穫量は畑栽培の方が多い傾向にあります。
Q:トマトが熟したかどうかはどう判断すればいいですか?
A:実が上まで赤くなり、ヘタが反り返っている状態が目安です。
【栽培環境について】
Q:市販の土よりも米糠ボカシで育てたミニトマトの方がおいしい気がします。
A:トマトに限らず、野菜は肥料で味が変わります。特に葉野菜などは、窒素が多くなるとえぐみが強くなったりします。
断定はできませんが、米糠ボカシを使った方は肥料がゆっくりと効いたことで、おいしいトマトができたのかもしれません。
Q:どんな肥料(追肥)をあげればいいですか?
A:窒素、リン、カリウムがバランスよく入ったものを、3週間ごとに1つまみ撒いていきましょう。
最初は畝の肩、2回目は畝の下、最後は畝の間と新しく生えてくる根の場所をイメージしてください。鶏糞も化成肥料に近い使い方ができます。
また、カルシウムを補うためには、牡蠣殻を原料とした石灰資材もあります。
Q:毎年ミニトマトの栽培をしていて、肥料も日照も水も気をつけているのですが、なかなか市販のミニトマトのように皮が固すぎず、おいしくなりません。
A:トマトの皮が固くなるのは水不足なので、毎朝たっぷり水をあげてください。暑い日には昼にも水をあげましょう。また、カゴメの「ぷるるん」はサクランボのように柔らかいミニトマトができますので、品種を変えてみるのもおすすめです。
Q:葉っぱが黄色くなり、裏は白くなってしまいました。何の病気ですか?
A:写真がないため断定はできませんが、葉が白く点々になるのは「うどんこ病」です。ただし、葉っぱの表側に出ることが多いです。
また、葉っぱが白く迷彩柄のようになるのは、日焼けの可能性があります。
Q:トマトがうどんこ病になってしまいました。葉っぱが気になって取ってしまいましたが、栽培に影響はありませんか?また、うどんこ病対策はありますか?
A:うどんこ病のひどい葉っぱは菌の温床になってしまいますので、取り除いてしまって構いません。
うどんこ病は梅雨明けに発生しやすくなりますので、風通しを良くしたり、農薬をつかったりするのが効果的です。また、ごく軽いものはお酢で拭くととれることもあります。
【挿し芽について】
Q:脇芽を育てるのは、法的に問題ありませんか?
A:種苗法のことでしたら、販売せずご自宅で楽しんでいただく分には問題ありません。
Q:いつの時期まで挿し芽できますか?今からしても間に合いますか?
A:お住まいの地域や気候で変わるため、いつまでと明確な時期は言えませんが、脇芽を育てて実がなるまで2ヶ月以上はかかります。ですから、今から挿し芽をしても実のなる時期に温度が足りず赤くならないため、間に合わないと思われます。
Q:かき取り後、すぐに土に挿しても大丈夫ですか?
A:挿し芽の方法はさまざまで、水に入れて根を出す方法、培養土に挿す方法などがあります。
すぐ土に挿すやり方でも、断面から病気が入らなければ根が出ます。
Q:挿し芽は大きなトマトでもできますか?
A:可能ですが、良い苗にする必要があります。
「苗半作」といって、苗の出来によって作柄の半分が決まるとも言われています。良い苗を植えましょう。
Q:ペットボトルで脇芽を育てていますが、水は毎日変えた方がいいですか?
A:水が傷んできますので、定期的に入れ替えてください。
Q:脇芽の摘み方はどうやれば良いですか?
A:晴れた日に手で摘むのがおすすめです。雨の日やハサミで切ると、病気が発生しやすくなってしまいます。
【誘引について】
Q:背を高く育ててもいいですか?
A:トマトは多年生の植物なので、大きくなり続けます。
しかし、大きくなればなったぶんだけ水や養分が届きにくくなるので、きめ細かな管理が必要になってきます。
Q:誘引していたら、枝の途中から折れてしまいました。どうすれば良いでしょうか?
A:誘引は朝にすると折れやすいため、昼に行いましょう。もし折れても、皮一枚つながっている状態なら復活します。
Q:1本仕立てのつもりが、気づかないうちに2本仕立てになっていました。既に大きく育ち、花芽も数段ついています。今からでも取った方がいいでしょうか?
A:地植えであれば、そのまま2本仕立てにチャレンジしてみてもいいと思います。
Q:幹が広がって、支柱で支えても幹が折れそうです。特に実がつくと重くなるので、自重で折れてしまうこともあります。何か対策はありますか?
A:行灯仕立てのように回して誘引し、誘引箇所も多めにしてみてください。
Q:ベランダでプランター栽培をしている者です。時計回りにぐるぐると誘引しているのですが、トマトにストレスをかけていないか心配です。大丈夫でしょうか?
A:ストレスを多少かける程度なら、おいしくなりますよ。
害になるほどのストレスがかかると皮が固くなったり、花落ちと言って花は咲くけれど実がつかない状態になったりしてしまいます。花が咲いてしっかり実がついているなら、問題ありません。
【収穫量について】
Q:収穫量を増やすコツはありますか?
A:日当たりの良い場所で、毎週1回液体肥料を入れ、水をあげてください。きっと応えてくれるはずです。
【尻腐れについて】
Q:トマトのお尻の方が赤くなる前に黒くなる、尻腐れの対処方法はありますか?
A:尻腐れは水不足で発生します。プランターの場合は朝と昼にたっぷり水をあげ、地植えの場合はマルチシートなどを敷くと水を吸いやすくなります。
尻腐れ予防スプレーをかける場合は、開花から実がつき始める時が良いでしょう。
特に、「凛々子」を育てている方は中玉で一斉に実がつくことから、たくさんの水が必要になります。朝晩たっぷり水をあげましょう。
なお、尻腐れが発生したトマトは中のゼリー部分まで傷んでいるため、食用にはおすすめできません。 カルシウム肥料を与える場合、パラパラとつまむ程度に撒き、その後吸い上げられるように水をたっぷりあげましょう。
Q:「ぷるるん」の実が赤くならず、黒っぽくなってしまいますが、何が原因でしょうか?
A:写真がないため断言できませんが、「尻腐れ」の可能性があります。日差し(特に西日)が強い場所で育てていた場合、日焼けしたところから菌が入ったかもしれません。
【摘果、カラス避けについて】
Q:ミニトマトも摘果した方がいいのでしょうか?一房にたくさんなっていて、重たそうです。
A:ミニトマトは、基本的に摘果しなくて構いません。ただ、一房にならせすぎると後半、勢いが衰えてしまう可能性があります。
品種ごとに理想とする量があるため、その量で実を抑えておくと後半まで長く楽しめるでしょう。
Q:カラス避けにはどんな方法がありますか?
A:カラスはとても賢いので、カラスの模型をぶら下げておくと来なくなります。他には、ネットやテグスなどを張り巡らし、物理的に近づけなくするのも効果的です。
【葉や花が落ちることについて】
Q:下の葉から黄色くなって落ちてきました。実に対してどのくらいまで葉があれば良いのでしょう?また、葉かきはどのようにすれば良いでしょうか。
A:トマトの葉は、もともと下から老化して黄色くなるため、実が赤くなっていれば、そこから下の葉については黄色くなって落ちても問題ありません。
葉かきは晴れた日に手で摘みましょう。雨の日やハサミでは、病気にかかりやすくなります。
Q:咲いている花がポロポロ落ちるのは、何か原因があるのでしょうか?
A:肥料不足、日光不足、風がなく結実しない、暑すぎて結実しないなどの理由が考えられます。まずは肥料をしっかりあげましょう。
Q:花がつかない、咲かないのはどんな原因がありますか?
A:ミニトマトの場合、葉が4枚ごとに花をつけるルールがありますので、生長点をチェックしてみてください。花が咲く前に花房が枯れてしまう場合、ストレスを受けている可能性もあります。
また、収穫が始まってから花がつかなくなる場合、実がなることで負担が増えているかもしれません。肥料をあげて適正な樹姿にしましょう。
なお、35度以上の酷暑でも花粉が飛びにくく、結実しにくくなるため、気温にも注意してください。
【水のあげ方について】
Q:水はどのくらいあげればいいでですか?
A:プランターの場合は、毎朝あげましょう。特に暑い日や日差しが強い日は水不足になりやすいので、朝だけでなくお昼にもあげると良いです。
環境や樹の状態でも変わってくるので、水をあげる前に鉢を持ち上げてみて軽いと感じたら、水が少ないという目安にしてください。
露地栽培の場合は、マルチシートをしていれば水やりしなくても構いません。
トマトは基本的には水を嫌うので、あげすぎが良くないのは事実ですが、プランター栽培の場合は水不足の心配の方が多いです。水はけの良い土を使い、たっぷり水をあげてください。お仕事などで昼に水をあげられないという場合は、朝たっぷりあげて、それでも足りないようならヤシガラチップなどを敷き、土の表面からの蒸発を防いでみてください。
Q:どうしても家をあけなくてはならず、水やりができないでいた間に緑の実がしなってしまいました。まだなんとかなりますか?
A:しばらくは元気がないでしょうが、しなっている程度の場合、これまでどおりしっかりお世話していれば復活できる可能性が高いです。
Q:地植えをしていると、実が赤くなる途中で割れてしまいます。どうすれば良いでしょうか。
A:実が割れるのは、雨などが原因です。雨よけや敷き藁をすると良いでしょう。
カゴメの「ぷるるん」は皮が薄く実が割れにくいため、品種を見直すのも良いかもしれません。
【虫除けについて】
Q:トマトの実を虫に食べられてしまいました。どうすれば良いでしょうか?
A:実に穴を開けるのは、オオタバコガの可能性があります。シーズンで3~4回世代交代するため、早期発見・早期退治を心がけましょう。
Q:鉢植えで育てていたら、小さな羽虫が出てきてしまって困っています。
A:黒いアブラムシに羽が生えたような虫であれば、キノコバエかもしれません。湿気が多いと発生しますので、少し水が多い可能性があります。
Q:ダニはどう防いだらいいですか?
A:ダニは農薬で簡単に退治できます。
Q:毎年カナブンがよく来るのですが、今年は見かけていません。育てている皆さんの様子はどうでしょうか?
A:カナブンは生態があまりよくわかっておらず、幼虫が葛を食べることが最近わかりました。ですので、カナブンが減ったということは、近所に葛がある場所が減ったのかもしれません。
逆に、コガネムシは幼虫が根っこを食い荒らすため、野菜にとって害虫です。
Q:昔、別の野菜を育てていたときに小さな羽虫が発生してしまいました。羽虫が発生した土は捨てた方が良いのでしょうか?
A:土をリサイクルしたい場合は、太陽光消毒すると虫も卵も死滅します。
Q:小さなバッタが葉っぱを食べてしまい、レース状になってしまいました。これにも牛乳は効果がありますか?
A:牛乳は、小さな虫にしか効果がありません。
【他の野菜について】
Q:パプリカを育てているのですが、最初の実が小さいまま2つ落ちてしまい、その後なかなか花芽が見えません。背丈はそれなりに伸びているのですが…。
A:パプリカやナスは、第一花房はつけない方が良いので、ガッカリする必要はありません。まずは、樹をしっかり大きくしてから、実をならせましょう。
Q:ピーマンは一年草ではないので、同じ苗で越年できるって本当ですか?
A:トマトも同じように多年生ですが、霜には弱いです。越年するためには、対策をしっかり行いましょう。
たくさんの質問をお寄せいただき、ありがとうございました!
全ての質問にお答えできず申し訳ありませんが、今回お答えいただいた内容を参考に引き続き家庭菜園を楽しんでくださいね♪
コメント欄では、栽培会の感想などぜひお寄せください。