私たちの生活にたくさんのよい影響をもたらしてくれる野菜。
とても身近な存在だけど、まだまだ知らないこともいっぱい…!?
今回は、『その疑問にお答え☆野菜に関する疑問を募集しています』に寄せられた投稿の中から、気になるギモンをピックアップ。
野菜のエキスパートとして活躍する食健康研究所の研究者がズバリお答えします!
油と一緒に食べると吸収率が上がったりするとか聞きますが、野菜の切り方で吸収率は変わりますか?
たくさん野菜を食べている人と野菜ジュースを毎日飲んでいる人では、体の中のカロテノイド量に差が出るのでしょうか?
野菜の栄養をしっかり摂る調理方法も知りたいです。
ご質問ありがとうございます!食健康研究所から回答させていただきますね。
野菜をより細かく切ることで、リコピンやβ-カロテンなどのカロテノイドの吸収率が上がると考えられます。
野菜加工品は生野菜よりもリコピンやβ-カロテンなどのカロテノイドの吸収率が高いことが報告されており [1,2]、これは加工によって細胞壁が壊され成分が外に出てくるためと考えられています。そのため、野菜をより細かく切ることで、同様の効果が期待できそうです※。
また、このような理由から、生野菜をたくさん食べる人よりも、ジュースなどの加工品を毎日飲んでいる人の方が、体の中のカロテノイド量は多くなると考えられます。
ただし、油で炒めたり細かく刻んだり、調理して野菜を食べる場合にも吸収率が上がるので、野菜の食べ方によっても違いが出てくるでしょう。
最後に、野菜の栄養をしっかり摂る調理方法の一例をご紹介します。
油を含むドレッシングをかけてサラダを食べるとリコピンやβ-カロテンなどのカロテノイドの吸収率が上がることや[3]、チーズと一緒にトマト加工品を食べるとリコピンの吸収が高まることがわかっています[4]。
野菜の栄養に関する知識を活用して、かしこく野菜を摂取しましょう!
※野菜は加工によって失われる成分もあります。
リコピンとβ-カロテンで評価方法は異なります。
[出典]
1. Gartner C et al., Am J Clin Nutr. (1997)
2. Livny O et al., Eur J Nutr. (2003)
3. Brown M.J. et al., Am. J. Clin. Nutr. (2004)
4. 脇ら、日本食品科学工学会誌 (2022)
以上、食健康研究所からの回答をお届けしました。いかがでしたか?
カラダにうれしい栄養素を含む野菜。せっかく食べるなら、細かく切ったり油と組み合わせたりして、吸収率アップも意識したいですね!
“野菜のチカラ”を食生活にかしこく取り入れて、すこやかな毎日を過ごしましょう♪
◆カゴメの食健康研究所ってこんなところです◆
食健康研究所は、日本のみならず、世界中の人々のWell-Being(身体的・精神的・社会的に良好で満たされた状態のこと)を実現するため、野菜や植物性食品の持つ可能性をさまざまな角度から検証しています。
&KAGOME内の『カゴメの人』では、食健康研究所 野菜摂取エビデンス研究グループに所属する米沢さんの取り組みを紹介!ぜひチェックしてみてくださいね。
▼野菜×健康の答えを探して~食健康研究所 野菜摂取エビデンス研究グループの米沢さん