こんにちは、博士です。
培養土を使用してトマト栽培をされた方も多いかと思いますが、今年挑戦したカゴメ社員も、カゴメの「そのまま育てるトマトの土」を使用した様子が見られました。
さて、トマトシーズンが終盤を迎え、“トマトを植えていた土を、そのまま再利用していいの?”という疑問をお持ちの方もおられるのではないでしょうか?
今回はそんな疑問に博士が回答します☆
■土※1の再利用はしていいの?
結論からお話しすると、土の再利用は積極的にはおすすめしていません。その理由は主に3つあります。
①栄養素
トマトは生長のステージやその時々の生育状態によって、必要となる肥料の成分量が異なります。
家庭菜園では複合肥料を使うことが多いため、栽培が終わった時点では、土中にトマトが使いきれなかった肥料成分が偏って残り、土のpHも栽培開始時とは変化しています。
土壌環境をリセットしたり整えたりするために、他の作物を育てる「輪作」や一定期間植え付けをしない「休作」をするという方法もありますが、土の中の環境は見た目では分からないことが多く、過剰に肥料を入れていた場合はうまくリセットされないこともあります。
②保水性
野菜を育てた後、根ごと引き抜いたつもりでも土の中に根が残ることがあります。
また、堆肥に加えてヤシ殻、ピートモスといった有機成分が分解されることで土壌の保水性、排水性が変化します。
土の保水性・排水性は野菜の生育にとって重要な要素なので、再利用した土で栽培をすると野菜の生長に影響する可能性があります。
③病害
同じ作物を栽培し続けると、その作物を好む病害虫が集まり、次に栽培する際も残りやすくなります。
根や地面に近い茎に病害が出た場合は、土中に病原菌がいる可能性が高いです。
薬剤を使った土壌消毒は一般家庭では難しく、その他の方法でも条件が揃わなければ十分な殺菌効果が得られないため、病害が出た際は土壌の交換をおすすめします。
これらの理由から、一度栽培に使った土を再利用した場合、新しい土の時と同じようには育たない可能性があります。
どうしても再利用(連作)をする場合は、堆肥を与えたりpHを調整したりして、できる限り土壌環境を整える事前準備を行うことをおすすめします!
■土はどうやって処分するの?
栽培を終えた際は、野菜を根ごと抜き取り、そのまま土を乾燥させます。
しばらく乾燥させることで取り扱いやすくなるので、その後自治体のルールや土のパッケージに記載されている内容をもとに処分してください。
ちなみに、カゴメの培養土※2は植物性原料なので「燃えるゴミ」として廃棄できますよ。
トマト農家さんでは、畑の状態をキープするために栽培中から病虫害防止を徹底したり、栽培が終わった後には土壌を消毒したりと、とてもたくさんの手間と愛情をかけてトマトを栽培しています。
トマト栽培を終えた時には、トマト農家の方々への感謝の気持ちもさらに湧くかもしれませんね^^
※1 一般の「培養土」
※2 カゴメの「そのまま育てるトマトの土」「かる~いトマトの土」「そのまま育てる野菜の土」「かる~い野菜の土」